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不動産 事務所 2024/5/28

専任の宅地建物取引士が転職

宅建業、いわゆる不動産業を営むためには宅地建物取引業の免許が必要です。

そして、宅地建物取引業免許を取得するためには、事務所等に専任の宅地建物取引士を設置することが義務づけられています。

この専任の宅地建物取引士は、1つの事務所において宅建業(業務)に従事する者5名に1名以上の割合としなければなりません。

5名に1名以上の割合とは?

この5名は宅建業に従事する者ですが、誰が宅建業に従事する者に該当するのでしょうか?

宅建業に従事する者には、常勤の代表者、常勤の役員、宅建業の営業従事者、宅建業のみを営んでいる場合で一般管理部門(経理・事務・総務等)のみの業務を行う者、宅建業の部門に所属し宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務(秘書、受付、運転手等)に常勤で従事する者が該当するようです。

これらの者が、専任の宅地建物取引士の設置基準となる宅建業に従事する者にカウントされる者です。

そして、設置すべき専任の宅地建物取引士の人数は、5名に1名以上の「割合」となればよいので、宅建業に従事する者が5名までの場合は1名以上、10名までの場合は2名以上、15名までの場合は3名以上というように、宅建業に従事する者の人数を5で割って得た小数点以下の数値を切り上げると、1つの事務所において設置すべき専任の宅地建物取引士の人数が計算できます。

(例)
3÷5=0.6⇒1名
7÷5=1.4⇒2名
14÷5=2.8⇒3名

人数を計算すべき単位は?

さて、宅建業(業務)に従事する者の人数と、設置すべき専任の宅地建物取引士の人数は、どういった単位でされるべきでしょうか?

上記には、「1つの事務所において宅建業に従事する者5名に1名以上の割合」と書かれているとおり、1つの事務所においてカウントされるようです。

宅建業のみを営んでいて事務所が1つしかない場合、その事務所における人数を数えることになります。

もし、本店1つ、支店1つの事務所を設けている事業者の場合は、本店、支店、それぞれで人数を計算することになります。

この場合、宅建業に従事する者が本店5名と支店4名の合わせて9名、本店のみに専任の宅地建物取引士が2名いるといった場合、「1つの事務所において宅建業に従事する者5名に1名以上の割合」の要件を満たしません。

必ず、本店に1名、支店に1名、専任の宅地建物取引士を設置しなければなりません。

もし専任の宅地建物取引士が退職した場合

宅建業のみを営んでいて事務所が1つしかない宅建業者で、専任の宅地建物取引士が退職したことによって業務に従事する者5名に1名以上の割合が満たさなくなった、例えば宅建業に従事する者5名いて、専任の宅地建物取引士が退職したことによって0名となった場合、どうなるのでしょうか?

この事案は、代表者が宅地建物取引士でなく、代表者と専任の宅地建物取引士を兼任できない場合に多くあります。

専任の宅地建物取引士が不足した場合は、2週間以内に補充等必要な措置を執らなければなりません。

業者名簿登載事項変更届出書に専任の宅地建物取引士の変更(退任)の事実を届け出て、2週間以内に宅建業に従事する者5名に1名以上の割合となるよう専任の宅地建物取引士を見つけなければなりません。

2週間以後もなお専任の宅地建物取引士が不足した状態のままの場合は、愛知県については免許に影響はありませんが、取引行為を行うことはできません。

退職した宅地建物取引士がすべきこと

事業者側は、専任の宅地建物取引士が退職した場合に業者名簿登載事項変更届出書を用いて変更届の届出をしなければなりませんが、退職した宅地建物取引士側は何もしなくても良いのでしょうか?

宅地建物取引士側は、変更登録申請書を用いて宅地建物取引士資格登録事項(従事先)の変更登録申請をすべきです。

新たに業務に従事する宅建業者へ転職した場合は、「業務に従事する宅地建物取引業者に関する事項」の変更前と変更後の欄に該当の業者情報を記入して変更登録申請をします。

単に退職のみをし新たに業務に従事する宅建業者がない場合、例えば宅建業以外のほかの業種へ転職した場合などの場合でも、「業務に従事する宅地建物取引業者に関する事項」を空欄にして変更登録申請をすべきです。

数年ぶりに別業者で専任の宅地建物取引士となった場合

退職した後すぐに宅建業者へ転職した場合は上記のとおり変更登録申請により対応できますが、数年ぶりに別業者で専任の宅地建物取引士となった場合、注意すべき点があります。

新たに勤務する宅建業者側では、業者名簿登載事項変更届出書を用いて専任の宅地建物取引士の変更(就任)の事実を届け出ることになるでしょう。

この届け出と同時に、宅地建物取引士側の宅地建物取引士資格登録事項(従事先)の変更登録申請をすることになります。

もし、以前に従事していた宅建業者が専任の宅地建物取引士の変更(退任)を届けていなかった場合、新たに勤務する宅建業者に専任の宅地建物取引士として登録することができません。

登録ができないということは、新たな勤務先(宅建業者)の下で専任の宅地建物取引士として従事できないことになります。

そうなると、以前に従事していた宅建業者へ連絡をし、専任の宅地建物取引士の変更(退任)を届け出るよう促さなければなりません。

もちろん、以前に従事していた宅建業者はそれに応じなければなりません。

仮に以前に従事していた宅建業者がそれに応じなかったとしても、県を通じて、変更届の提出を促されることになるでしょう。

まとめ

事業者側は、専任の宅地建物取引士が退職した場合、2週間以内に業者名簿登載事項変更届出書を用いて変更届の届出をしてください。

一方、宅地建物取引士側は、変更登録申請書を用いて宅地建物取引士資格登録事項(従事先)の変更登録申請をしましょう。自動的に変更されることはありません。

専任の宅地建物取引士が新たな勤務先にて宅建業に従事する場合、これらの手続きが問題なくされていれば、トラブルなく転職が可能です。

そして、事業者側は、宅建業のみを営んでいて事務所が1つしかないような場合は、代表者が専任の宅地建物取引士を兼任できるようにしておくと、たとえ別の専任の宅地建物取引士が退職したといったような場合でも、なんとか宅建業を継続できるので安心です。

代表者が宅地建物取引士でなく、代表者と専任の宅地建物取引士を兼任できない場合に専任の宅地建物取引士が退職してしまうと、その先の取引ができず、最悪、更新時期に更新ができず宅建業免許が失効するということもあり得ます。

こういった問題は、専任の宅地建物取引士に求められている「常勤性」と「専従性」の2つの要件から生じているのでしょうか?

なかなか難しい問題ではあります。

もし、専任の宅地建物取引士の要件や宅建業(業務)に従事する者の人数について、ご不明な点等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。