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法律 2022/7/18

相続回復請求権

民法第884条(相続回復請求権)

相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から20年を経過したときも、同様とする。

相続回復請求権とは

不真正相続人(表見相続人および僭称相続人)が、真正相続人の相続権を否定し相続の目的たる権利を侵害している場合に、真正相続人が自己の相続権につきその侵害を排除し、相続財産の回復を請求することをいいます。

相続回復請求権の当事者

回復請求権者

相続の回復を請求することができる者は、相続権の侵害を受けている真正相続人です。相続人が制限行為能力者である場合には、その法定代理人が相続回復請求権を行使することができます。
なお、相続回復請求をしないで死亡した者の相続人は被相続人の相続回復請求権を承継行使できません。真正相続人の相続人は、自己固有の相続回復請求権を有することになります。またこの場合、20年の相続回復請求権の時効の起算点を、相続人が真正相続人を相続した時ではなく、真正相続人の相続の時としています。
相続財産の特定承継人は、相続回復請求権を行使することができません。
<判例>
表見相続人に対し特定の相続財産の承継取得の効力を争う場合でも、相続の無効を理由とする限り1つの回復請求権の行使にほかならないから、真正相続人が回復手続きしない限り、第三者はその効力を争い得ない。

相手方

相続権がないにもかかわらず、相続人であると称し、事実上相続財産の占有支配を継続して相続権を侵害している者です。
表見相続人や僭称相続人から相続財産を譲り受けた第三者が相手方になるか否かについては、判例はこれを否定し、相続回復請求権の時効期間が経過した後も、真正相続人は、第三取得者に対して、所有権に基づく返還請求が可能です。
<判例>
共同相続人のうち1人又は数人が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分について、当該部分の真正共同相続人の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続持分であると主張してこれを占有管理し、真正共同相続人の相続分を侵害している場合につき、民法884条(相続回復請求権)の適用を特に否定すべき理由はないが、共同相続人のうち1人若しくは数人が自ら相続人でないことを知っているか又はその者に相続権があると信ぜられるべき合理的な事由なしに自ら相続人と称している場合には、その者は、相続回復請求制度の対象とされている者ではなく、消滅時効を援用することができない。

相続回復請求権の行使

相続回復請求権の行使方法については、法律上別段の制限はありません。必ずしも訴えの方法による必要はなく、裁判外の請求でも、催告として事項中断の効力を生じます。
相続回復請求の訴えを提起する場合でも、必ずしも相続回復請求という訴名による必要はなく、個々の財産の引渡請求、相続登記の抹消請求といったものでも、その内容が自己に相続権のあることを主張し、他人の不法相続を廃除し、相続権の内容を自己に回復しようとするものは、相続回復請求権の行使となります。

相続回復請求権の消滅

相続回復請求権は、相続人またはその法定代理人が、相続権を侵害された事実を知った時から5年間これを行わないとき、時効によって消滅します。「相続権を侵害された事実を知った時」とは、単に相続開始の事実を知るだけではなく、自分が真正な相続人であるのに相続から除外されていることを知った時をいいます。
また、相続開始の時から20年を経過した時も消滅します。この期間は、、相続権侵害の有無にかかわらず、相続開始の時から進行します。