宅建業で専任宅建士が不在となった場合
宅建業(不動産業)を営業する場合は、1つの事務所において「業務に従事する者」5人につき1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。この記事では、宅建士や従業者の人数の数え方や事務所ごとの意味については別記事にて解説していますので、ここでは割愛します。もし、退職などで会社から専任の宅建士が不在となった場合、どのようなことになるのかを解説したいと思います。
専任の宅建士が不在となると?
専任の宅地建物取引士が不在となった場合は、その業者は、2週間以内に専任の宅建士を補充しなければなりません。
それでもなお専任の宅地建物取引士が見つからず、不在のままの状態の場合は、愛知県については免許に影響はありませんが、取引行為を行うことはできません。
取引こそしなければ問題ないように見えますが、不在のまま放置しておくと、とんでもないことになる可能性があります。
専任の宅建士が不在のまま免許の有効期間が経過した場合
宅地建物取引業の免許の有効期間は5年間です。
なお、有効期間満了後引き続き業を営もうとする者は、その有効期間が満了する日の90日前から30日前までに免許の更新申請を行うことが必要です。
この更新のときに、専任の宅建士が不在の場合、当然ですが、免許の更新ができません。
そして、免許の有効期間が経過した場合、残念ながら宅建業免許は失効します。
宅建業取引ができないのはもちろん、宅建業の業績を示す更新回数がリセットされることになります。
再度、免許の新規申請をする場合、審査期間中は取引行為ができませんし、免許を取得したとしても免許証番号は変わり、カッコ内の数字も1になります。
宅建士不在3か月経過後に宅建士が見つかった場合
求人サイトなどにより、専任の宅建士が不在となったあと、ようやく専任の宅建士となる人材を見つけた場合は、早急に免許の変更届を提出しましょう。
同時に宅建士側の従業先変更の届出をします。同じ県での届出であれば、免許の変更届と宅建士の従業先変更の2つの届出を同日に提出できますが、ほかの県で登録した宅建士の場合は、届出先が異なるので注意が必要です。
もし届出を提出したのが専任宅建士が不在となったあと3か月以上を経過していた場合、指導の担当者から行政指導がある旨を伝えられます。
宅建士不在で行政指導
専任宅建士の不在の状態が3か月以上だった場合、文書勧告という行政指導がされます。
この行政指導は、公表はされません。
内容としては、今後同じことがないように、事務のやり方の見直しをしてください、などのことがあるようです。
また、報告を求めるようなこともあるようです。
そして、事前の連絡のない事務所の立入検査がされることもあったりするようです。
もしも宅建士不在の期間に取引があったことが判明した場合
文書勧告という行政指導がされたあと、県の指導は、取引の有無について調査を行います。
免許の変更届の際に、口頭で、宅建士不在の間に取引はなかったと伝えたとしても、ないことの証明は難しいため、調査の対象となるようです。
方法はわかりませんが、もし、調査の結果、宅建士不在の期間に取引があったことが判明した場合、さらなる処分がされることになります。
監督処分をうけてしまうと?
宅建士不在の期間に取引があったことが判明した場合、監督処分として、営業停止処分がなされます。
また、この処分は公表されます。
何日ぐらいの営業停止処分となるのか、これは、今後調べた結果を、この記事に加筆していく予定です。