0568-48-6781 [月~金]8:30~17:30 [土日祝]事前予約のみ

ブログ

info

日常 法律 2024/5/29

親族についての基礎知識

親戚みな親族?

私は子どものころ、親を通じてお付き合いのあった親戚の人たち全員、親族だと思っていました。
それが、民法を勉強し、親族の範囲を学んだあと、親族だと思っていたあの人は民法上の親族ではなかったことを知ることになりました。

親戚とは?

検索サイトで「親戚」という意味を調べると、「みうち」という意味が検索されます。
「親」という漢字は「したしい」という意味だと思うので、
もう1つの漢字「戚」の字を調べるため、日本漢字能力検定協会が公開している「漢字ペディア」というサイトを利用してみました。
「戚」画数(11)部首(戈)
<意味>
①みうち、親類
②いたむ、うれえる、悲しむ

結局は、親しい身内という意味になるのでしょうか?

では親族とは?

親族は、一般的には血縁や親戚にある人々を意味するのですが、民法上の親族では以下のように定められています。

  1. 6親等内の血族
  2. 配偶者
  3. 3親等内の姻族

ここに、血族、配偶者、姻族という言葉が出ましたので、これについて確認してみます。

血族とは?

血族は、法的な親子関係の連鎖でつながる者をいい、自然血族と法定血族に分かれます。
自然血族は、出生による血縁関係にある者をいいます。
法定血族は、養子縁組によって生じる関係をいいます。
ただし、ここで注意が必要なのが、自然血族の場合、婚姻関係のない男女から生まれた子については父と子との間に血縁関係が生じず、父の認知によって初めて父子関係が認められるといった点です。

配偶者とは?

配偶者は、婚姻をした当事者の一方から見た他方をいいます。
つまり、婚姻をした男女の、男性から見た女性、女性から見た男性をいいます。
婚姻は、届出によってその効力を生ずると民法で規定されていますが、そのほかに、婚姻の意思、婚姻障害のないことが要件とされています。
これについては後日、解説できればと思います。

姻族とは?

姻族とは、婚姻を媒介した配偶者の一方と他方の血族との関係をいいます。
つまり、自分の配偶者の両親や兄弟姉妹との関係が該当します。
ただし、配偶者の関係が複数あるような、例えば、自分の配偶者から見た兄弟姉妹の配偶者や、夫婦の親同士のような関係は、姻族ではありません。

親等とは?

親族には、6親等内の血族と3親等内の姻族とあり、ここに「親等」という言葉があります。
これは何でしょう?
親等とは、親族関係の近さを表す単位です。自分から見て1親等が一番近い親族で、自分の親と自分の子を指し、2親等は自分の祖父母と孫を指します。
では、兄弟姉妹やおじおばなどの関係はどのように親等を数えるのでしょうか?

直系と傍系とは?

先ほどの親等の数え方で、1親等は自分の親と自分の子を、2親等は自分の祖父母を、というように、自分から見て直接上や下に数える関係を直系といいます。
これに対し、兄弟姉妹やおじおばは、自分から見て直接上や下にいません。どちらかというとどこかで分岐した形でつながっているように見えます。
例えば兄弟姉妹は同じ親から分岐した関係であり、おじおばは同じ祖父母から分岐した関係であることは理解できると思います。
この分岐した関係を傍系といいます。

傍系の親等の数え方

傍系の親等の数え方は、まずは分岐をするところ、つまり共通の祖先まで遡って親等を数え、そしてその祖先から子や孫を見るように数えます。
兄弟姉妹の場合は、自分の親という共通の祖先まで数えて1親等、そこからその親の子の親等1親等をさらに数えるので、これを合計して2親等と数えることができます。
おじおばの場合は、自分の祖父母という共通の祖先まで数えて2親等、そこからその祖父母の子の親等1親等をさらに数えるので、これを合計して3親等と数えることができます。
では、いとこ関係の場合はどのように数えるのかというと、いとこは父母の兄弟姉妹の子、つまりおじおばの子であるので、おじおばの3親等におじおばの子という1親等をさらに数え、合計して4親等と数えることができます。

7親等の血族

自分から見て曽祖父母(祖父母の父母)は、父母が1親等、祖父母が2親等なので、3親等と数えることができます。
曽祖父母の子が祖父母であり、その兄弟はおおおじおおおばといい、親等は4親等となります。
そのおおおじおおおばの子、つまり父母のいとこ関係、いとこおじいとこおばの親等は5親等です。
さらにいとこおじいとこおばの子は、自分から見ると「はとこ」となり、親等は6親等です。
ここまでが民法上でいう親族ですが、このはとこの子がいると7親等となるので、民法上の親族の範囲を超え、親戚としての付き合いはあっても民法上の親族ではなかったということになります。

4親等の姻族

姻族とは、婚姻を媒介した配偶者の一方と他方の血族との関係をいうので、配偶者のいとこ関係にある人、つまり、配偶者の父母の兄弟姉妹の子ですので、4親等の姻族となります。
配偶者が言う「○○のおばさんの子」というのは、自分から見ると民法上の親族ではなかったということになります。

まとめ

民法上の親族としては、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族とありますが、これはあくまで法律上の親族関係です。
親を通じてお付き合いのあった親戚がたとえ民法上の親族関係になかったとしても、日常では何かしらの影響があるわけではありません。
ただし、親族の効果には、民法上、いくつかの定めがあります。
これについては、後日、別記事で解説をしたいと思います。
また、親族関係について、まだ解説ができていない点がありますので、これについても、後日、別記事で解説をしたいと思います。
当事務所は、相続関係説明図や親族関係図の作成を得意としています。
もし、親族関係図の作成をお考えの場合、行政書士業務として対応できない可能性がありますので、委任状を交付いただいて対応できるかどうかを検討いたします。